2020.05.25
子宮ポリープの多くは良性で、悪性化することはほとんどありません。
しかし、ポリープに見えても、まれに悪性の腫瘍というケースがあるので、ポリープの組織を取って病理組織診断を行う場合があります。
子宮内膜ポリープは、受精卵の着床を妨げる場合があり、妊娠しにくい原因になることがあります。
自覚症状としては不正出血や月経過多、また、そのために貧血になることもありますが、特に症状がない場合も多いです。
子宮ポリープは、子宮内膜が女性ホルモン(エストロゲン)の影響によって過剰に増殖してできるものです。
子宮頸管ポリープは膣鏡検査で分かります。
子宮頸がん検診のときに見える場所です。
子宮内膜ポリープの場合、超音波検査で見ると子宮内膜が厚くなっています。
また、子宮鏡検査で子宮内を詳しく検査すると確実に診断できます。
この検査は、妊娠の可能性がない月経終了直後に行います。
子宮頸管ポリープは子宮頸管から外に出ているので、すぐに器具でつまんで取ることができます。
ただし、ポリープが巨大な場合は経膣的な手術で取ります。
子宮内膜ポリープの治療は、子宮鏡下手術または子宮内膜全面掻爬(そうは)になります。
切除したポリープは病理組織診断に出し、悪性でないかどうかを確認します。
《 監修 》
洞下 由記(ほらげ ゆき) 産婦人科医
聖マリアンナ医科大学助教、大学病院産婦人科医長。2002年聖マリアンナ医科大学卒業。
不妊治療をはじめ、患者さんの気持ちや環境を一緒に考えてくれる熱血ドクター。日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は生殖内分泌、周産期、がん・生殖医療。
▶HP https://www.marianna-u.ac.jp/hospital/reproduction/ 聖マリアンナ医科大学病院
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