2020.01.31
クラミジアに感染しても、ほとんどの女性は軽い腹痛か無症状で、気が付かないことが多いです。
感染がおなかの中まで及ぶことを「骨盤内腹膜炎」といい、この状態になると腹痛が起こります。
クラミジアの検査には、クラミジア抗原(本体)を調べる検査とクラミジア抗体(免疫反応)を調べる検査の2種類があります。
・クラミジア抗原を調べる検査
子宮の入り口の細い部分である子宮頸管に綿棒のような検査キットを入れて、粘膜をこすり取ります。
その中にクラミジアの本体(クラミジア抗原)があるかどうかを調べます。
・クラミジア抗体を調べる検査
血液検査によって、過去にクラミジアに感染したかどうかを調べる検査です。
血液中にクラミジア抗体が検出されると、過去にクラミジアにかかったことがあることが分かります。
血液検査では、一般的にIgGとIgAという2種類の抗体の力を測ります。
IgGは今までにクラミジアにかかったことがあれば数値が上昇し、IgAは現在感染していると数値が上昇します。
いずれの場合も、治療をすると数値は下がります。
子宮頸管にクラミジアが見つかった場合は、性交渉によって相手に感染させてしまいます。
そのため、パートナーといっしょに治療する必要があります。そうしないと、いつまでたってもお互いが感染させ合うことになり(ピンポン感染)、治療が無意味になってしまうので気を付けましょう。
クラミジア感染がある場合は、抗生物質による治療を行います。
抗生剤を約1週間内服し、服用が終わったら約2週間後に再度検査を行います。
検査の数値が下がっていれば、クラミジアは除去されています。
《 監修 》
洞下 由記(ほらげ ゆき) 産婦人科医
聖マリアンナ医科大学助教、大学病院産婦人科医長。2002年聖マリアンナ医科大学卒業。
不妊治療をはじめ、患者さんの気持ちや環境を一緒に考えてくれる熱血ドクター。日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は生殖内分泌、周産期、がん・生殖医療。
▶HP https://www.marianna-u.ac.jp/hospital/reproduction/ 聖マリアンナ医科大学病院
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