2020.01.31
若い人に多いがんは、子宮頸がんです。
日本では、毎年およそ1万人が子宮頸がんになり、約3000人が子宮頸がんによって亡くなっています。
子宮頸がんは、以前は40〜50代に多いがんでしたが、最近は20〜30代で子宮頸がんになる女性が増え、死亡率も増加しています。
子宮頸がんは、早期に発見されれば子宮の部分切除で済み、子宮摘出をしなくて済みます。
しかし、がんが進行してしまうと子宮を摘出することになり、妊娠は望めなくなります。
将来の妊娠を考えている女性は、「子宮頸がん検診」を1年間に1回を目安に、定期的に受けましょう。
一方、子宮体がんは、より年齢の高い女性に多いがんですが、20〜30代の女性でもかかることがあります。
不正出血があったり、月経不順であったりした場合は、医師の診察を受けた上で、必要であれば「子宮体がん検診」を行いましょう。
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・子宮頸がん検査
子宮頸部の粘膜を器具でこすって、採取した細胞にがん細胞がないかどうかを調べます。
・子宮体がん検査
子宮内部まで器具を入れて、子宮内膜の細胞を一部採取し、がん細胞がないかどうかを調べます。この検査では、若干痛みを伴うことがあります。
がん検診で医師から超音波検査を勧められた場合には、子宮と卵巣の超音波検査も可能な限り受けましょう。
内診では分かりにくい、子宮や卵巣の異常(子宮筋腫や卵巣腫瘍など)を早期に見つけることができます。
また、腹痛や不正出血、強い生理痛などの症状がある場合は、がん検診だけではなく、産婦人科を早めに受診しましょう。
産婦人科は女性の一生に関わる診療科なので、いつもと違う症状があれば、気軽に相談して大丈夫です。
妊娠に向けた体づくりとして、冷え対策や運動、食事など、いろいろなことに取り組んでいる人もいることでしょう。
これらは大切なことですが、それ以上に大事といえるのが子宮と卵巣の検診です。
子宮がん検診を機会に自分自身の体に目を向けることは、妊娠への第一歩といえます。
《 監修 》
洞下 由記(ほらげ ゆき) 産婦人科医
聖マリアンナ医科大学助教、大学病院産婦人科医長。2002年聖マリアンナ医科大学卒業。
不妊治療をはじめ、患者さんの気持ちや環境を一緒に考えてくれる熱血ドクター。日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は生殖内分泌、周産期、がん・生殖医療。
▶HP https://www.marianna-u.ac.jp/hospital/reproduction/ 聖マリアンナ医科大学病院
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