これから 妊娠を検討 する場合。将来を考えたときに“住みやすい街”とは【FP監修】

2020.08.31

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これから妊娠を目指す今、住む街を考えてみては

まだ子どもがいない夫婦では、通勤のアクセスがいい路線や外出して楽しむのに便利な地域に住んでいる人も多いことでしょう。これから子育てしようと考えたとき、どこに住むかを2人で考えてみてはどうでしょうか。

 

 

子どもを迎えることを意識したら、「自然豊かな地域で」「近くに公園がある場所がいい」「同世代に人気の路線」などと思い浮かぶかもしれません。しかし、イメージにとらわれるのではなく、現実的な視点で考えることが大切です。

 

 

子どもを育てるのに環境が良い所、安心して育児ができる地域を考えるのは自然なことです。ただし、そのとき想像するのは「子どもが小学生くらい」までではないでしょうか?

 

 

子育て期間を「大学卒業」までと考えると、子どもが生まれてから約22年間もあります。その間に仕事や生活環境が変わることもあるでしょうし、子どもが独立していった後は夫婦2人の生活が続くことになります。住まいについても、子どもが小さいときだけでなく、もっと長い目で考えることが必要です。それを踏まえたうえで、今回は子育て期に住む街について考えてみましょう。

引っ越しの時期を考えましょう

「妊娠したらゆっくりと住まいを探して、出産までに引っ越せばいい」と思っていませんか? 妊娠は病気ではないものの、なかには「つわりがきつくて動くのもつらい」という人も。また、身重になってからの引っ越し準備や作業は、体に負担がかかることも考えられます。もし、引っ越しを考えているのなら早めに準備を始めましょう。

 

 

実際に引っ越すかどうかはさておき、住みたい街の候補地があれば、実際に訪れてみるといいでしょう。なんとなくいいイメージだけれど現実にはどうなのか、現地を歩いてみるのです。親子連れは多いのか、買い物する所はあるかなど、街の雰囲気を肌で感じると、「想像していたのと違う」「ついでに寄ってみた隣の街の方が好きだな」など、自分たちの中で判断基準が生まれ、候補地を絞り込むのに役立つでしょう。

子育てを考えた街選び、チェックポイントは?

子どもが生まれたらどの街に住むかで、受けられる行政のサービスが変わってきます。候補に考える自治体の育児支援について調べてみましょう。

 

 

例えば、東京都では以下のような子育て支援があります。

 

▶東京都:子育て支援情報一覧

 

 

子育て支援の名称や内容は、自治体によって異なります。また、制度があることと、それが実際に使いやすいかどうかも異なります。

 

例えば、子どもが病気になった場合に保育をお願いできる支援に「病児・病後児保育」があります。「予約は前日の○時まで」というケースが多いのですが、子どもが熱を出して仕事の調整がつかずに困るのは、当日の方が多いのではないでしょうか。それを考えると、予約方法や当日の連絡でも受け付けてもらえるのかなどは、大事なチェックポイントといえます。

支援内容は名称だけでなく、内容もできるだけ詳しく調べましょう。

ランキングで人気の街は?

最近では、子育てしやすい街をランキングする雑誌などの企画もあります。

こうしたランキングを見る場合、アンケートの対象者はどんな家庭か(共働き世帯など)、自分たちの状況とかけ離れていないか、確認しましょう。また、1回だけの順位ではなく、数年前までさかのぼってチェックしてみることもお勧めです。安定して人気がある街かどうかを知る目安になります。

 

また、1つの情報だけでなく、他の視点の調査も調べてみるといいでしょう。例えば、実際に暮らす人の評判や実績といった視点を取り入れたランキング調査もあります。

 

ランキングは、何を基準に、どんなポイント(点数)で順位がつけられているのか、それを確認することが大事です。視点が変わると評価基準やポイントも変わります。複数の視点で見ることで、より幅広い情報が得られます。

認可保育園に入園できるかどうかもチェック

共働き夫婦の場合、子どもが認可保育園に入園できるかどうかは大きなポイントです。地域によっては保育園の待機児童が深刻な場合もあり、入園しやすい地域に引っ越す人もいるほどです。

自分たちの候補にあげた地域の待機児童はどんな状況か、調べておくにこしたことはありません。

 

とはいえ、「子どもはこれから」という場合、保育園といってもピンとこないかもしれません。時間のあるときに保育園についての情報を収集するといいでしょう。
保育園を考える親の会のホームページでは、保育園選びのチェックポイントや体験談などを知ることができます。

 

▶保育園を考える親の会

 

親の支援を考えて住む場所を選ぶ選択も

1つの視点として、「夫や妻の実家に近い場所で暮らす」という選択もあります。

 

子どもが急に熱を出したときなど、共働きでどちらも仕事を休めない場合、頼ることができるのは身内ということもあります。それならば、あらかじめ協力をお願いして、実家からアクセスのよい場所に住むのも、1つの方法です。

 

これから迎える子どもとどの街で暮らしたいか、自分たちは何を大事にして過ごしたいか、夫婦でお互いの考えを話し合うことは、将来育児をする上でもきっと役に立つことでしょう。

《 監修 》

  • 菅原 直子(すがわら なおこ) ファイナンシャルプランナー

    子育て世帯にかかせないお金知識を自治体の講座などわかりやすく解説。学生向け奨学金講座や新聞・雑誌等に教育費に関するコメント・執筆も。「子どもにかけるお金を考える会」「働けない子どものお金を考える会」メンバー。

     

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