2021.06.21
私たちは朝起きて夜眠る生活リズムで暮らしていますが、この生活リズムは脳にある体内時計(サーカディアンリズム)で調整しています。
この体内時計は人によって周期が異なり長い人も短い人も存在しますが、平均すると24時間より少し長いといわれています。
1日の時間は24時間ですので、毎日体内時計をリセットしなければ、地球の自転周期と少しずつズレが生じて睡眠のリズムがズレていきます。
身体は朝の太陽の光を浴びると脳にある組織がメラトニンを分泌し、体内時計を調整することができるので朝起きたらカーテンを開けて、ある程度の明るい光を浴びることが重要になってきます。曇りの日の明るさでも十分です。
お腹の中の赤ちゃんは母親の体内時計に依存しており、リズムを引き継いでいます。
生まれてから赤ちゃん自身の体内時計が安定するのは、およそ3〜4カ月以降であるといわれています。
新生児は新しい環境に適応しながら、自立した体内時計を形成する仕組みを急速に発達させますが、まったくのゼロからではなく、すでに出生の段階で、体内時計の一部が機能している可能性が高いといわれています。
体内時計が乱れると、血圧や体温、ホルモン分泌、代謝など様々な生理機能が大きく左右されます。
体内時計は遺伝子レベルで設定されていますので、これに逆らうような不規則な生活リズムは臓器の不調を引き起こし、不眠だけでなく、がん、感染症、心臓血管系疾患、代謝疾患や精神疾患など、あらゆる病気の引き金となりえます。
「ぐっすり寝て、きちんと食べて、しっかり活動する」という生活のリズムがうまくできていないと、仕事の効率が落ちたり、心がネガティブになったりして、極端な場合には「うつ病」になります。
おなかの中の赤ちゃんは母親の体内時計に依存していますので、赤ちゃんのため にも、自分のためにも、体内時計を整えることを意識していきましょう。
《 監修 》
濵脇 文子(はまわき ふみこ) 助産師
大阪大学大学院医学系研究科招聘准教授。
助産師・保健師・看護師。
産前産後ケアセンターヴィタリテハウス施設長。
はぐふるアンバサダー。
妊娠から産後まで、一人一人に寄り添い幅広くサポートを行う。
また、自治体や企業とマタニティーソリューションの事業構築や講演・執筆活動、専門職の教育研究にも携わる。
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