【さりさんへインタビュー 妊活 しながらの働き方】時短勤務に変更し体質改善をしながら 妊活

2020.04.13

6

アドバイス

取材をした二人の情報

【お名前】

妻[さりさん] 夫[たかしさん]

【治療を始めた当時のご年齢】

妻[29] 夫[31]

【職種】

妻[広告] 夫[IT]

【勤務形態】

妻[派遣社員] 夫[正社員]

【勤務時間】

妻[9:00-17:00] 夫[フレックスタイム制

【通勤時間】

妻[1時間] 夫[40分]

【妊娠を目指し始めてからの期間と現在】

自己流で半年間の妊活後、クリニック受診。タイミング指導で妊娠

【病院】

不妊治療専門クリニック

【病院でわかった症状】

妻-風疹抗体値が低い 多嚢胞性卵巣症候群の傾向 子宮後屈の傾向

夫-精子の奇形率が高い

妊活やクリニックを受診しようと思った背景は?

妻:結婚をして1年半が経った頃、そろそろ子どもが欲しいねと自己流で妊活を始めましたが、半年経っても授かりませんでした。元々生理不順だったのもあって、排卵日が定まっていなかったため、生理周期は30日の月もあれば、45日の月もありました。基礎体温も妊活スタートとともに測り始めましたが、高温期が短いことが気になって、もしかして妊娠しにくい身体なのでは?と思うようになり、私は妊娠ができるのか、検査をするために病院を探し始めました。

 

夫:自分たちはまだ若いと思っていたので、きちんとタイミングを合わせていればそのうち子どもは授かれるだろうという軽い考えを持っていました。妻からは何度かきちんと検査に行ったりした方がいいのではないかという話もありましたが、私には病院に行くということはとてもハードルが高く感じてしまい踏み込むことができず、ひとまず自己流で様子を見ようという方向になりました。そうして自己流の妊活が半年間続いたんですが、それでもなかなか授かることができなかったので、検査をした方がいいのかもしれないと思うようになりました。

どのように病院を選びましたか?

妻:恥ずかしながら婦人科にあまり行ったことがなかったのでかかりつけがなく、どうやって病院を選んだらいいのか、周りに聞ける人もいなかったので、ネットで情報収集をしました。見ると「まず近くの婦人科へ行ってみよう」と書いてある記事が多かったのですが、産科が併設されているところだと、妊婦さんやお子様連れの方も多くいらっしゃるので、辛い気持ちになってしまうことがあるという声もあり夫に相談をしました。私はすぐにでも子どもが欲しかったので、妊娠まで最短距離で導いて欲しいという思いもありました。

 

夫:自己流の妊活の間、基礎体温の上がり下がりや生理が来ることに敏感になっている妻を見ていたので、このままなかなか子どもを授かれなかったとき、私以上に妻が思い悩んでしまうと思いました。新たな幸せを掴むために頑張っているのに、そのせいで妻を追い込んでしまうのは避けたいと思ったんです。そこで、プロの指導の下で妊娠に向けて頑張ってみようと決心し、不妊治療専門クリニックを探し始めました。調べていく中で、胚培養士の方やカウンセラーの方などのその道のプロや、不妊治療に関する最新の医療機器も不妊治療専門クリニックには集まっているということも知ったんです。妻ではなく私側に原因がある場合もありますし、それなら最初から婦人科ではなく、不妊治療専門クリニックに通って、もしも将来的に本格的な不妊治療が必要になったとしても対応してもらえるところに行こうという話になりました。そして、体外受精に強くて多数の実績がある都内の不妊治療専門クリニックで、通院を考えている方向けの事前説明会があったので二人で参加しました。そこでは体外受精顕微授精の説明が多く、まず最初の段階の検査を希望している私たちにとっては聞いたことのないワードばかりだったのですが、どのように治療をステップアップしていくか、どのような治療があるのか、どのくらい費用がかかるのかなど、実際にそれに直面する前に医師の方々からアドバイスを得ることができたので、とても勉強になり参加してよかったと思っています。医師、胚培養士、看護師、料金について説明してくれる事務の方など、個別で相談をする時間も設けられていて、丁寧な説明も受けることができました。結果、その病院に通うことになりました。

検査をしてわかった症状はありますか?

妻:不妊治療専門クリニックに通いはじめ、まず血液検査や内診でさまざまな項目を調べました。風疹の抗体値が不十分であること以外は特に問題はなく、AMHも年齢相当の数値があり、担当の医師にも自然妊娠は現時点では十分見込めるでしょうとのことでした。多嚢胞性卵巣症候群と子宮が後ろ側に倒れている子宮後屈の傾向があるので、一概には言えないけれど、不妊の原因になることもあるとの話もありました。子宮後屈という言葉は初めて耳にしたので驚きました。自分の身体のことですが、こうして検査を受けなければ知りえなかったことなので、検査の大切さを実感しましたね。

 

夫:私は精液検査を行いました。説明会に参加した人は精液検査が割引で受けられるという特典があったので、経済的なハードルも低く2000円ほどで検査ができたので受けやすかったです。運動率、奇形率、精子の数といった項目を調べてもらいました。奇形率は少し高めでしたが、精子の数や運動率が正常だったため、このままタイミング法で様子を見てみましょうと胚培養士の方よりアドバイスをいただき、安心してタイミング法を行うことができました。検査をせずにタイミング法を続けて、子どもをなかなか授からなかったときに、疑心暗鬼になることを避けられるのも精神的に助かりました。

通院の工夫や生活の工夫などでしていたことはありますか?

夫:土日も診察しているクリニックだったので、病院への通院は、妻の生理周期も含め調整が可能な範囲で土日に診察に行きました。基本的には私の検査がない日も同行し医師の話を伺いました。待合室を見た感じだと、クリニックに夫も着いてきている人は30%くらいの割合でしたが、私は行ってよかったと思っています。実際に自分も通院することで、私自身も医師から妻の身体の状態について直接お話を伺うこともできますし、疑問があればその場で聞くこともできます。医師から頂いたアドバイスは2人とも把握しているので、一緒に妊活を頑張ろうという雰囲気も出てよかったです。

 

妻:クリニックに通ってプロの力を借りる=高いお金もかかるので、生活面では自分たちの努力で改善できることは何でも頑張ってみよう、二人で体質改善をしようと夫と話し合いをしました。食事は野菜を中心に、不足しそうな栄養はサプリメントで補い、妊娠前から摂取したほうが良いと聞いた葉酸のサプリメントも摂るようにしました。また、私も夫もデスクワークで慢性的な運動不足だったので、健康のためにもスポーツジムに入会しました。元々スポーツが好きな私は週4日ほど通い、汗を流すようになりました。それが要因だったのかはわかりませんが、ジムに通い始めてから不順だった生理が毎月30日ほどできちんとくるようになったんです。妊娠が発覚するまでその周期が続きました。私の母も生理不順でこれは体質なんだと思い込んでいたので、身体を動かすことや口にするものを見直したことで生理周期が整ったことには、私も夫も驚きました。生理不順でタイミングが取りづらいことに毎月悩んでいたので、一歩前進できた気がしてとても嬉しかったです。

治療の費用や給与の変動は?

夫:通院した結果、タイミング法で授かることができましたが、検査からタイミング指導までで6、7回程通院し、約10万円でした。私は仕事の時間を削っていたわけではないので、給与の変動はなかったです。

 

妻:会社でお休みを貰うときは有休を使っていたので給与の変動はありませんでしたが、不妊治療や検査には保険適用されていないものが多かったり、病院ごとで自由に値段設定がされたりしているので、やはり1回1回の通院の出費はとても痛いなと感じました。病院に通っている人はみんな思うことかとは思いますが、それがいつまで続くのかわからない、授かれる保証がないのはとても不安でしたね。

通院や妊娠を目指す中で大変だったことはありますか?

夫:自宅の近くではなく、都内の不妊治療専門クリニックに通っていたため、通院に片道1時間ほどかかるのが大変でした。基本的には毎週通院が必要だったので、時間の他に電車の交通費も結構かかったと思います。それ以外で私が大変だと感じたことは特になかったかなと思います。妊娠に向けて二人で頑張っているという共通認識があったため、適度に息抜きにディナーに出かけたり、子どもがいたらできないようなデートをしたりなど、妊活を始める前と同じように楽しく生活ができていました。ジム通いもしていたので、脂肪量が減って筋肉量が増えたことに二人で喜んだりしていました(笑)結局私の筋肉は数ヶ月で2%ほどしか増えなかったんですが、そうやって二人で笑いあうことは大切だと思いました。

 

妻:夫が毎回の通院に同行してくれたおかげで、私だけが頑張っている!!と夫に不満を抱かずに済んでいたことが、私は一番ホッとしたことです。ただ通院をしていると自分の身体の状態によって病院の予定が入るので、生活の中心がそれになりやすいなと感じました。そうするとどうしても心が暗くなりやすいと思ったので、私たちは意識的に空いた時間はジムやお出かけをするようにしていました。それから、後々ストレスになりそうだと思ったことや、夫に対して気に入らないことがあったときは、怒りの感情になる前に「こういうことが悲しい」や「こういうことを変えてほしい」という風に普段から夫にストレートに伝えるようにしていましたが、妊娠に向けて取り組んでいる生活の中でもそれはよかったと思います。夫はとても気が利くタイプですが、感情を察するということは苦手なので遠慮せずになんでも言うように逆に心がけるようにしています(笑)。モヤモヤした気持ちを我慢して持ち続けても、いいことはないですからね…

振り返ってみて今思うことはありますか?

妻:私たちは入籍後の2年間は二人だけで過ごして、そのあとに子どもが欲しいよねと楽観的に考えている部分がありました。避妊の必要性については学校の授業で教わりますよね。だから逆に、避妊をしなければすぐに妊娠できると勝手に思い込んでいたというか、不妊について学ぶ機会も、そういった話に触れる機会もないので、自己流の妊活で半年間できなかったときに初めてきちんと向き合うことになりました。当時の私は 妊娠や出産、不妊治療について の知識はほとんど皆無でした。デリケートなことですが、そういったことについて気軽に話すことができる環境があったり、婦人科が身近だったりしたら、もっと自分の身体のことや、妊娠をすることについて理解した上で妊活を始められたかもしれません。妊娠の妨げとなる病気がないか調べてもらえるプレママ検査なども多くの病院がやっているので、まずはそこから自分とパートナーの身体の状態を把握しておくのも、その後の不安が少しでも減らせると思います。私たちも当時からその検査の存在は知っていましたが、結局行くことはなく、その後クリニックに通うか足踏みしていた時期もあったので、今その時の自分にアドバイスができるなら、「わからないままの方が不安なのだから、気軽に相談に行ってみて」と言ってあげたいです。

 

夫:妻が言うように、私もためらっていた時期があったのがもったいなかったかなと今になって思います。不妊治療専門クリニックと聞くと、高度な治療のイメージが強く、自分の中でハードルを勝手に高く設定していました。そして、自分は大丈夫と、そういった病院を意識的に遠ざけていた気もします。しかし説明会や通院を通して実際に経験したことで、不安に思うことや夫婦だけではわからないことがあれば、早めにプロの方のアドバイスをもらいながら妊娠に向けて取り組むほうがはるかによいと私は感じました。もしもまた子どもが欲しいという話になれば、おそらくまたプロに相談しようと妻に提案すると思います。

 

この記事は役に立ちましたか?

ありがとうございます!フィードバックが送信されました。