【医師監修】『 無排卵周期 』の原因は?どうして無排卵になるの?妊娠に影響は?(無排卵月経、無排卵周期症)
無排卵周期の症状は?体への影響は?【医師監修】洞下 由記(ほらげ ゆき) 産婦人科医
無排卵周期は、月経のような出血はあっても排卵していない状態の月経(生理)周期のことです。
月経周期が安定してない月経不順の人の中には、この無排卵周期のケースがあると考えられます。
また、日常的に激しい運動を行っている場合などにも、無排卵周期が起こることがあります。
そのほか、閉経が近くなってきた更年期や赤ちゃんへの授乳をしている期間にも、無排卵周期が起こります。
月経周期が順調であれば、たまに周期が乱れてもすぐに元に戻れば、特に問題はありません。
しかし、無排卵月経ほとんどの場合は、妊娠に必要な排卵が起こっておらず、妊娠は難しい状態です。
無排卵周期の原因は?
無排卵周期の多くは、ホルモンのバランスが安定していないことが原因です。
その背景として、強いストレスや疲労などのほか、過度のダイエットや拒食症などによる急激な体重の減少が挙げられます。
また、成長過程にあって卵巣が未成熟な場合にも、その機能が十分でないため、無排卵となることがあります。
更年期や授乳期にも無排卵周期が起こりますが、これは年齢やライフステージにおける体の変化といえます。
無排卵周期の検査、診断方法は?
排卵後は高温期が約2週間続いた後に体温が低下し、月経が来ます。
無排卵周期の場合は、基礎体温が低温期のままでいつもより長く経過し、高温期にならずに月経が始まります(これを破綻出血といいます)。
産婦人科で超音波検査を数回しても、無排卵周期かどうかは分かりません。
採血によるホルモン検査も診断の補助にはなりますが、月経周期ごとに数値は異なります。
無排卵周期かどうかを診断するには、それまでの基礎体温表を見るのが最も診断効果が高いといえるでしょう。
無排卵周期の治療は?
正常でもたまに起こりうることなので、基本的には治療の必要はありません。
ただし、妊活中の方や妊娠を希望している場合は、状況に応じて適切な治療を受けましょう。
漢方による体質改善や、ホルモン療法、排卵誘発剤の使用など、病院によって治療方法は異なります。
《 監修 》
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洞下 由記(ほらげ ゆき) 産婦人科医
聖マリアンナ医科大学助教、大学病院産婦人科医長。2002年聖マリアンナ医科大学卒業。
不妊治療をはじめ、患者さんの気持ちや環境を一緒に考えてくれる熱血ドクター。日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は生殖内分泌、周産期、がん・生殖医療。
▶HP https://www.marianna-u.ac.jp/hospital/reproduction/ 聖マリアンナ医科大学病院
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