2020.01.31
人間は「冷え」があると、寝つけず熟睡できません。
妊娠しやすい体質を作るには、まず冷えを撃退し、睡眠の質を改善しておかねばなりません。
睡眠の質が良くなれば、細胞の修復が十分に行われ、臓器の働きも良くなりますので、当然、卵巣や子宮の機能も高まり妊娠の可能性が上がります。
人間の体温は内臓などの身体の内部の温度(深部体温)と、手や足などの身体の表面温度(皮膚温)があります。
人間の体温は深部体温と皮膚温が互いに調整し合うことで、常に一定に保たれています。
深部体温は身体が活動している日中は高くなり、睡眠に入る前になるとだんだん下がっていき、睡眠中に約1度温度が低下します。
その為、就寝時に深部体温が高いままだと、なかなか寝つくことができません。
このように説明すると、「冷えで身体の体温が低くなったのになぜ眠れないの?」と疑問に思われるかもしれません。
「冷え」で皮膚温が低くなり血行が悪くなると、手足の毛細血管が収縮し、熱が放出されにくくなります。
すると、日中に高まった深部体温も放熱されず、高いまま保たれてしまいます。
つまり、寝つきに時間がかかり、睡眠も深くならず、眠れない状態になるわけです。
いかに深部体温を下げるか、それが眠りには大切な要素になります。
冷えを解消するには、毎日、入浴することです。
入浴によって深部体温が上がり、末梢血管も広がって、身体の熱が放出されます。
就寝するまでに具合よく体温を下げるには、就寝の1時間半~2時間前に入浴することが大切です。
入浴できなかった場合は、寝る前に足湯をし、ハーブティーやホットミルクを飲むことで代用します。
さらに、就寝前に数分でよいので、軽いストレッチを行うと、より寝つきに効果があります。
また、冷えのある人は、いろいろ着込んだり、ソックスを重ね履きしたりして寝ようとしますが、それは、熱の放散を妨げてしまうのでよくありません。
夜着はパジャマだけにして、保温性の高い質の良い布団で温かさを確保しましょう。
生活習慣も冷えを防ぎ、良い眠りを得るには大切です。
まず、規則正しい起床就寝を心がけ、体温の一日のリズムを乱さないようにすること、日頃から運動習慣をつけておくこと、身体を温める食事を決まった時間にとることです。
また、ストレスを溜めこまないことも大事です。
ストレスが強いと血行不順になり、冷えがおこり、さらにメンタルに影響すると、ますます睡眠の質が落ちてしまいますので、ストレス発散を工夫しましょう。
冷えを防ぐことは、そのまま睡眠を良くすることでもあります。
パートナーの協力も得て、身も心も温かく過ごしていただきたいと思います。
《 監修 》
橋爪 あき(はしづめ あき) 睡眠改善インストラクター
慶應義塾大学卒業。
一般社団法人日本眠育普及協会代表、睡眠改善インストラクター(日本睡眠改善協議会認定)、
日本睡眠教育機構上級指導士、日本睡眠学会会員、NPO法人SASネットワーク理事。
睡眠知識の広報活動、講演、執筆、メディア・企業の企画協力などを行う。
▶HP https://min-iku.com/