2020.01.31
月経(生理)は、女性ホルモンの分泌のリズムによって定期的に起こる現象です。
月経の開始から次の月経開始までを「月経周期」といいます。健康な女性であれば、その期間は25〜38日が目安で、平均すると28日です。
多少の月経周期の乱れは誰にでも起こるものですが、月経周期が24日より短かったり、38日より長かったり、月によってばらばらであったり、しばらく月経周期に乱れが続く場合は「月経不順」であり、排卵に問題があることが多いため、注意が必要です。
通常、月経開始から約2週間で排卵し、排卵後は約2週間で月経が起こります。
しかし、何らかの原因で排卵が妨げられると、月経周期がばらばらになってしまい月経不順となります。
月経が不順だと「排卵日がいつごろなのか」をつかむのが難しくなります。
妊娠を考えた性交渉のタイミングもつかみにくいため、婦人科で排卵日の確認を行ったほうが、排卵日がはっきりしてタイミングをつかみやすくなります。
最も多い排卵障害は「📖多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)*」といって、その場合は月経周期が長くなることが多いです。
また、過度のストレスや体重減少で排卵障害を起こすことがあります。
女性ホルモンの分泌を司る指令塔は脳にあり、ストレスの影響を受けやすいのです。
「無理なダイエットでやせたら生理がこなくなった」という話を聞いたことはありませんか?
これは「体重が急に減少した。生命の危機だ!妊娠している場合ではない!」と脳が判断して、ホルモン分泌をストップしてしまうからです。
すぐに月経周期が元に戻れば特に問題はありませんが、月経不順が長く続いたり、それを繰り返したりしていると、周期が元に戻りにくくなります。
まずは月経不順の原因を探り、適切な治療によって月経周期を整えることが妊娠への近道になります。
また、婦人科を受診すると、診察で子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が分かることもあり、将来の妊娠に備えての治療ができることもあります。
「今すぐ妊娠を希望しているわけではないけれど、いつかは・・・」と思っている人も、一度婦人科で診てもらうといいでしょう。
自分の身体について状況を把握しておくことは、妊娠へ向けた体づくりの第一歩につながります。
《 監修 》
洞下 由記(ほらげ ゆき) 産婦人科医
聖マリアンナ医科大学助教、大学病院産婦人科医長。2002年聖マリアンナ医科大学卒業。
不妊治療をはじめ、患者さんの気持ちや環境を一緒に考えてくれる熱血ドクター。日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は生殖内分泌、周産期、がん・生殖医療。
▶HP https://www.marianna-u.ac.jp/hospital/reproduction/ 聖マリアンナ医科大学病院
洞下由記先生の監修記事一覧(妊娠希望)
📖妊娠希望に掲載中の記事