2020.01.31
精液検査を施設で行う場合、多くの専門の泌尿器科や不妊治療専門クリニックでは、専用の精液採取室を準備するなど、プライバシーに配慮した環境で、採取した精子の精液量、精子濃度、運動率、運動の質、精子の形態、感染の有無などを検討します。
しかし、妊活や不妊治療は女性側の対応が主導となることが多く、男性の参加が遅れがちです。
精子セルフチェックを男性が早期に行うことで治療や活動の時間やコスト、精神面の負担を軽減できる可能性がありうるということで、最近はセルフチェックツールなどの活用も増えてきています。
スマホのカメラレンズとアプリで精液の動画を分析し、精子の濃度・運動率が分かるキットがあります。
このキットを使うと、精液検査の主要項目のうち特に重要な精子の「濃度」と、郵送の検査では測定できない「運動率」もチェックすることができます。
解析をしてから、約1分で結果を確認することができ、自宅でチェックが完了します。
価格も4000円程度と手ごろです。
精液は液体成分の精漿(せいしょう)と細胞成分の精子とで構成されています。
たいていは、精子の活動や数などを検査しますが、精液の液体部分である精漿が精子の運動、受精能力に大きく影響することに着目し、精液成分を調べることができるキットもあります。
郵送検査キットを活用することで、男性は自宅で採精し、検体をポストに投函するだけで、数週間後には結果を受け取り、検査だけでなく、改善方法のアドバイスも得られます。
自宅で採精ができ、郵送で送り、誰にも知られずに結果を知ることができるサービスです。項目にもよりますが、価格は3000~5000円くらいです。
セルフチェックツールは、あくまで簡易仕様であるということ、検査項目が限られているということを念頭におき活用しましょう。
男性の精液性状は、日に日に変動するため、悪い結果が出た場合でも、再度検査をして問題ないとされることもあります。
条件を変え、検査しても精子に何かしらの問題がありそうな時は、専門の泌尿器科や不妊治療専門クリニックを受診しましょう。
精液検査に関しては別記事がありますので【📖こちらの記事】もご参考ください。
《 監修 》
濵脇 文子(はまわき ふみこ) 助産師
大阪大学大学院医学系研究科招聘准教授。
助産師・保健師・看護師。
産前産後ケアセンターヴィタリテハウス施設長。
はぐふるアンバサダー。
妊娠から産後まで、一人一人に寄り添い幅広くサポートを行う。
また、自治体や企業とマタニティーソリューションの事業構築や講演・執筆活動、専門職の教育研究にも携わる。
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