【助産師監修】妊娠が成立した時の おりもの は?知っておきたい おりもの の変化
【監修】助産師:濵脇文子先生
おりもの(fluor)とは、子宮頚部、子宮内膜、膣から出る酸性の分泌物のことです。
膣内部のうるおいを保って粘膜を守ったり、汚れを排出したり、菌などが子宮内に侵入するのを防いでくれる、女性の体を守る大切なものです。
帯下(たいげ)とも呼ばれています。
妊娠を希望する女性にとっては、排卵日を知る目安ともなります。
月経(生理)周期とおりものの変化
おりものは、女性ホルモンと密接な関係があり、月経周期に合わせて色や粘度が変わります。
一般的に、毎月の月経後2~3日はほとんどおりものが出ませんが、それから排卵期に向けて半透明の粘り気のあるおりものが出はじめ少しずつ増えていきます。
💡妊娠しやすい時期である排卵期はおりものの量がいちばん多い時期です。
排卵日が近づくにつれ量が増え、次第にサラサラしていきます。
排卵直前には、生卵の白身のようなゼリー状の糸を引く透明なおりものに変わり、精子が子宮に到達しやすいように、受精を手助けします。
💡排卵期を過ぎると、次第に粘り気がなくなって白くにごった状態になり量も徐々に減っていきます。
月経直前になると量が少なくなり、時には薄茶色がかった色になることもあり、においが強いと感じる人もいます。
こうしたおりものの変化は、女性ホルモンの分泌が正常である証拠で、月経周期を把握するのにも役立ちます。
おりものが多い人は排卵期になると下着がぬれるほど増えることもありますが、これも女性ホルモンがしっかり分泌されている証拠です。
💡逆に少ない人は、女性ホルモンの卵胞ホルモンが少ないケースも考えられます。
おりものの量やにおいは、個人差があるので、おりものの変化に周期性があり、月経が順調であれば問題はありません。
💡また、風邪などで体の抵抗力が落ちて、デリケートゾーンに炎症が生じると一時的におりものの量が増減することもあります。
妊娠が成立した時のおりものは?
妊娠が成立すると、女性ホルモンの分泌に変化が起こります。
妊娠しなかった場合に減少するはずの女性ホルモンの分泌が続くので、普段なら排卵期を過ぎて量が減るはずのおりものが「増えた」と感じる場合があります。
おりものの状態には個人差があるので、どのように変化するかは人それぞれです。
水っぽくさらさらした状態で量が増えたと感じることや、色・においが変化する場合もあります。
もちろん量が変わらない方もいらっしゃいます。
年代によるおりものの変化:思春期
思春期(10歳代前半)では、初経をむかえるまではおりものの量はごくわずかです。
初経後は本格的に分泌されるようになります。
成熟期前半(20歳代)になると、体の成熟に伴い、女性ホルモンの分泌もピークをむかえ、おりものの量も増えます。
年代によるおりものの変化:30代~
成熟期後半(30歳代)は、卵巣機能がさらに成熟するので、おりものの量は多くなります。
40歳代以降になると、女性ホルモンの分泌が減少しだし、おりものの量も減ってきます。
閉経をむかえると、さらに分泌量が低下します。
こんなおりものには要注意
普段、生理的に分泌されるおりものの量や質には個人差があるので、異変に気づくためには、日頃から自分のおりものの状態を意識しておくことが大切です。
カッテージチーズのように白いかたまりの状態や、血液が混じった色または黄色・緑色を帯びた色をしている、かゆみやほてり・発しん・ヒリヒリする痛みをともなう・腹痛や排尿痛・発熱を伴う場合は、「細菌性膣症」「外陰膣カンジダ症」「膣トリコモナス症」などが考えられます。
おりものの異変がしばらく続いたり、繰り返したりする場合は、婦人科を受診しましょう。
《 監修 》
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濵脇 文子(はまわき ふみこ) 助産師
大阪大学大学院医学系研究科招聘准教授。
助産師・保健師・看護師。
産前産後ケアセンターヴィタリテハウス施設長。
はぐふるアンバサダー。
妊娠から産後まで、一人一人に寄り添い幅広くサポートを行う。
また、自治体や企業とマタニティーソリューションの事業構築や講演・執筆活動、専門職の教育研究にも携わる。
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