【医師監修】妊娠と風疹抗体について。 風疹 のワクチン接種はどうすればいいの?

2022.10.31

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妊娠と風疹の感染について

風疹は、風疹ウイルスによって起こる急性の感染症で、はしかに似た症状が特徴です。

風疹の免疫がない女性が妊娠初期に風疹に感染すると、おなかの赤ちゃんも感染し、先天性風疹症候群といって、心臓の構造の異常や白内障、難聴など、生まれつき障害を持つリスクが高くなります。

風疹は免疫(抗体)を持っていればかかりにくくなり、かかっても軽くすむことが分かっています。妊娠前に抗体を持っているかどうかを検査し、抗体がない場合は風疹のワクチンを打つことを強くお勧めします。

風疹のワクチン接種はどうすればいいの?

風疹の抗体価は血液検査で分かります。免疫がついていない、つまり抗体値が低い場合は、風疹ワクチンを接種します。風疹ワクチンを接種した後は2カ月間の避妊が必要です。ですから、今すぐに妊娠の予定がない人でも、早めにワクチン接種を受けておいたほうがいいでしょう。

風疹抗体は夫婦(カップル)で確認することが大事

抗体検査は夫婦(カップル)で確認することが大事です。家庭内に風疹を持ち込まないためにも、カップルで抗体価を確認し、必要であればワクチンを接種しましょう。男性がワクチンを打った場合は、特に避妊の必要期間はありません。

 

現在、各自治体では、妊娠を希望する女性と妊娠中の女性の同居家族を対象として、風疹の抗体価の有無を確認するための抗体検査費用の補助が受けられる場合があります。住んでいる自治体の保健所で相談してみましょう。

風疹に感染しないために

風疹の免疫のない人や抗体値の低い人は、ワクチンの効果が出るまでは感染しないように気を付けることが大事です。

💡[風疹の感染を防ぐ対策]💡

・不要不急の外出は避ける(特に流行地域には行かない)
・人が多い場所はできるだけ避ける
・家族など、周りの人の感染に気を付ける(夫、子ども、同居の家族など)
・子どもと触れる際には気を付ける
・マスクを着ける など

子どもは風疹に感染しやすく、幼稚園や保育園など、幼い子どもが集まる場所では感染が拡大することが知られています。子どもを預けている、仕事をしているなど、子どもと触れる機会が多い人は、特に注意が必要です。

また、妊娠出産歴がある場合は、妊娠の初期採血検査で風疹の抗体価を測定しています。母子手帳等を確認してみましょう。

 

 

『参考資料』

厚生労働省:風しんについて

厚生労働省:風しんの追加的対策について

《 監修 》

  • 洞下 由記(ほらげ ゆき) 産婦人科医

    聖マリアンナ医科大学助教、大学病院産婦人科医長。2002年聖マリアンナ医科大学卒業。

    不妊治療をはじめ、患者さんの気持ちや環境を一緒に考えてくれる熱血ドクター。日本産科婦人科学会専門医、日本生殖医学会生殖医療専門医。専門は生殖内分泌、周産期、がん・生殖医療。

    HP https://www.marianna-u.ac.jp/hospital/reproduction/ 聖マリアンナ医科大学病院
     
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