2023.03.01
皆さんは、自分の月経をちゃんと把握していますか?
個人差はありますが、正常な月経は25~38日周期で始まり、3~7日間出血が続くとされています。
また、正常範囲とされる月経期間の出血量は20~140mlです。
正しい月経がきちんとあるかどうかは、女性にとって健康状態を知るための大事な目安です。
月経時の出血量の変化や不正出血には、何か病気が隠れている可能性もありますから注意が必要です。
そこで今回は、月経異常がサインとなるトラブルを、特に妊娠に影響を与える病気を中心にご紹介します。
これは、イボのような粘膜の膨らみが子宮の内側にできる病気で、不正出血や月経過多を引き起こします。
大きさは数ミリから数センチまでさまざまで、単発性のものと多発性のものがあります。
このポリープが受精卵の着床を邪魔することで不妊になる場合があります。
子宮の出口にできる子宮頸管(しきゅうけいかん)ポリープに比べ子宮内膜ポリープは発見しにくく、不妊の原因を調べている際に、偶然見つかるケースもあります。
30歳代後半~40歳代に多く発症し、多くの場合、月経痛や月経過多、不正出血、月経時以外の腰痛や腹痛、性行為痛などの症状を伴います。
エストロゲンという女性ホルモンにより病気が進むため、月経を重ねる度に症状は悪化します。
また、不妊症を合併することもあります。
不妊との関係は、まだすべては解明されていませんが、子宮腺筋症により子宮が変形することや、子宮内膜の上皮の組織が変化することで、受精卵の着床が難しくなることが原因ではないかとされています。
子宮腺筋症は子宮筋腫と症状が似ていますが、子宮腺筋症の場合は月経痛だけでなく、月経が終わっても強い下腹部痛が続く場合があります。
不正出血は、睡眠不足やストレスなどによっても起こりますが、一方では、重大な病気のサインの可能性もあるので注意が必要です。
不正出血の血液の色は、新しいと赤色ですが、古いと茶色になり、ごく少量の場合は黄色のこともあります。
《 監修 》
丸山 真理子(まるやま まりこ)産婦人科専門医
EASE女性のクリニック院長。
産婦人科専門医として子宮がん・乳がん検診のほかプレコンセプションケア、妊活、妊娠、子育てと全てのライフステージの女性診療に携わる。イーズファミリークリニック本八幡・病児・病後児保育室室長、EASE English Montessori School、日本女性財団プラットフォーム委員会委員長としても精力的に活動中。
▶HP https://ease-clinic.jp/ EASE女性のクリニック
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