2020.03.16
赤ちゃんを授かる為に生活改善を行ったり、夫婦でタイミングをとったり、不妊治療などを行っている間、多くの人が不安を感じています 。
夫婦で取り組むこととはいえ、検査やホルモン剤の投与などは女性の体に負担が偏りがちになります。
排卵はとてもデリケートで、健康な女性であっても体調を崩したり、ストレスを抱えたりすると排卵ができないことや遅れたりすることがよくあります。
また、男性にとっても、月に一度の排卵がプレッシャーになり、射精や勃起にダイレクトに関わってきます。
このプレッシャーを女性もある程度理解しておくことが必要です。
お互いが相手の体のことを理解し、歩み寄る優しさがとても大事になります。
ストレスとどう上手に向き合うかもとても大切なことです。
感じるストレスには主に次のようなものがあります。
しかし悲しんでいる間もなく、次の排卵日に向けての治療に取り組まなければなりません。
そんなことが何度も続けば、落ち込んでしまいます。
また、他人と比べることでさらに不安になってしまうこともあります。
もちろん男女ともに検査はありますが、女性側は検査や治療、薬の投与などが多い傾向にあります。
子宮卵管造影検査やホルモン注射など、中には人によって痛みを伴うものもあり、大きなストレスになることもあります。
さらに、生理周期に合わせて治療スケジュールを立てていくので、仕事との両立が難しいと感じることも少なくありません。
また、ホルモン剤の投与などにより、肉体的負担はとても大きい場合があります。
また、治療の終了のめどが立たないため、費用の予測も難しいものです。
また、当事者であるはずのパートナーとの温度差に関係がぎくしゃくしてしまうことも少なくありません。
バランスの取れた食事や、十分な睡眠と休養、適度な運動習慣などを無理のない範囲で心掛けましょう。
特に運動には、ネガティブな気持ちの発散をし、睡眠リズムを整える効果があります。
運動習慣のない人は、まずは散歩やストレッチなどを生活に取り入れるといいでしょう。
また、生活習慣を整えることは、妊娠しやすい体づくりにも直結します。
男性にとっても精子の質を高めることにつながりますので、夫婦一緒に取り組むことが大切です。
二人でできる、身体を動かす共通の趣味が持てるとよいですね。
💡妊活中や不妊治療中のストレスや不安、焦りが募ってきて苦しい時は、それを紙に書き出してみましょう。
抱えている悩みや気持ち、ストレスを書き出すことで、客観的に見ることができ、落ち着いて物事を考えられる機会になるかもしれません。
💡同様に、誰かに相談したり話を聞いてもらうだけでも、気持ちが軽くなることがあります。
皆が同じ症状、同じ治療でないにもかかわらず、ネットを見て自己解釈や他人との比較で不安になるよりも、ちょっと話してみると意外と周りがサポートしてくれることもあるかもしれません。
夫婦だけでなく、友人や家族など、信頼できる人に相談してみるのもいいでしょう。
自分自身が、自分の味方になってあげることはとても大切です。
たとえば朝起きたら鏡に向かって「本当に頑張っているよね」と声を掛けたり、夜寝る時に「今日も一日よくやったね」と自分をねぎらったりなど、声に出して自分を肯定してあげましょう。
また、一緒に頑張っているパートナーにも積極的にポジティブな言葉を送ってみるのもいいですね。
夫婦共に身体も心も健康を意識しながら、妊娠に向けて歩んでいきましょう。
治療をしていると、どうしてもなかなか子どもを授からないことや、自分の身体のこと、いつまで治療を続ければいいのかなど答えのない問いに心が痛くなることもあるかもしれません。
しかし、子どもがいてもいなくても、どんな選択と決断をしたとしても、あなた という人の価値や生き方は変わりなく素晴らしいものです。
そのことを、いつも忘れないでください。
自分の身体と心を一番大切に、治療を続けることも辞めることも休むことも、すべてはあなたの気持ちに正直に選択していきましょう。
《 監修 》
濵脇 文子(はまわき ふみこ) 助産師
大阪大学大学院医学系研究科招聘准教授。
助産師・保健師・看護師。
産前産後ケアセンターヴィタリテハウス施設長。
はぐふるアンバサダー。
妊娠から産後まで、一人一人に寄り添い幅広くサポートを行う。
また、自治体や企業とマタニティーソリューションの事業構築や講演・執筆活動、専門職の教育研究にも携わる。
濵脇文子先生の監修記事一覧
📖妊娠希望に掲載中の記事