2020.03.16
睡眠は、心身の健康を維持する土台となるものです。赤ちゃんを授かるには、身体の健康維持が第一ですから、睡眠には特に注意する必要があります。
睡眠をしっかり確保するために大切なことはいろいろありますが、最も重要なことの一つに、ストレスコントロールが挙げられます。
強いストレスは睡眠に影響しやすく、寝付けない、眠りが浅い、夜中に何度も目覚めてしまうというような不眠状態になります。
いったん不眠状態が起きると、睡眠の悪循環に陥ります。
そもそも睡眠はストレスを解消する役割があるので、強いストレスによって眠りが妨害されると、ストレスが解消されずにまた眠れなくなるのです。
ひどくなると、うつ症状が出て不眠症に発展する場合もあります。
こうした状態は、根本的な原因であるストレスのもとを解消しない限り、なかなか改善されません。
周囲はアドバイスをすることしかできないので、まず、自分自身でストレスを強めないように生活を見直し、考え方を工夫することが大事です。
自分がどんなことに困っているのか、気にかかっているのか、あるいは不安や不満があるのかを一度冷静に書き出してみて、解決法を探ることが必要です。
ストレス解消についての具体的方法は、心理学や精神医学、ストレスマネジメント分野の担当ですが、睡眠学の立場からは以下のようなアドバイスができます。
起床したら、すぐベランダや庭に出て外気を吸い込み、朝日を浴びましょう。
これは体内リズムを整え、体調不良を防ぐために有効ですので、ぜひ習慣にしましょう。
次に、2~3分の軽い体操をし、「今日は何があっても大丈夫」という自己暗示をかけましょう。
これはストレスをなだめ、心をスッキリさせる「セロトニン」というホルモンをよく分泌させるためです。自己暗示も心を支える有効な手段です。
日中は疲れたなと思ったら、こまめに短い休憩をとることが大切です。また、疲れをほぐす軽い体操をしたり、目を閉じて深呼吸をしたりして、体をリラックスさせましょう。
外気と外の光を受けられる場所で行うと、さらに効果があります。
その際、心に受けた嫌なことなども「ま、いっか」と受け流しましょう。
妊娠を希望している時は、月経のリセットが来るたびに落ち込んでしまったり、パートナーとけんかをしてしまったり、心が不安定になる傾向があります。
睡眠をよくとり、毎日心身をリフレッシュできるよう、生活や睡眠を整えることを心掛けましょう。
《 監修 》
橋爪 あき(はしづめ あき) 睡眠改善インストラクター
慶應義塾大学卒業。
一般社団法人日本眠育普及協会代表、睡眠改善インストラクター(日本睡眠改善協議会認定)、
日本睡眠教育機構上級指導士、日本睡眠学会会員、NPO法人SASネットワーク理事。
睡眠知識の広報活動、講演、執筆、メディア・企業の企画協力などを行う。
▶HP https://min-iku.com/