2022.06.08
耳の薬は、耳の穴(外耳道=がいじどう)の炎症や中耳炎、耳垢などに対して使われます。
その多くは、外耳道に薬を垂らして使う「点耳薬(てんじやく)」と呼ばれるタイプです。
なじみが薄いかもしれませんが、皮膚の塗り薬や点眼薬と同じように、「患部にダイレクトに作用する」「飲み薬のような全身的な副作用は少ない」といったメリットがあります。
そのメリットを最大限に活かすためにも、正しく使いましょう。
点耳薬は次のような流れで使用します1)。
①まずは手を洗い清潔にします。
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②薬の容器を手で握って温めるなどして、できるだけ体温に近い状態にします(薬の温度が低いと、めまいを起こすおそれがあるため)。
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③点耳する方の耳が真上に向くようにして姿勢を保ち耳たぶを軽く引き、耳の穴に薬を垂らします。
この時、容器の先端が直接耳に触れないように注意します。
薬の垂らす量は処方される薬によって異なるので、医師・薬剤師に確認しましょう。
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④点耳後しばらくそのままの状態を10分ほど保ちます。
これを「耳浴(じよく)」といいます。
点耳後の時間は患者さんごとに異なりますので、医師・薬剤師に確認しましょう。
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⑤あふれた薬は清潔なガーゼやティッシュペーパーなどでふきとります。
耳が塞がって聞こえが悪いときは、綿棒でそっと拭うとよいです。
片足立ちができる場合は、どこかにつかまり点耳した耳を下にして軽く頭を振りましょう(片足ケンケン)。
この記事では、子どもに使われる主な耳の薬を紹介します(2022年5月時点)。
薬を使い始めて何か気がかりなことがあれば、医師、薬剤師に相談しましょう。
外耳炎、中耳炎、耳垢
など
<薬の形状>
液
<特徴>
耳垢を取る前に医療機関で処方する薬です。
耳垢に染み込んでふやかし、医師による耳垢除去をしやすくします。
<注意>
主な副作用として、かゆみ、耳道発赤、疼痛、皮膚炎、かぶれ、皮膚刺激が報告されています2) 。
これらの症状が現れたら、医師・薬剤師に相談しましょう。
《 監修 》
松井 潔(まつい きよし) 総合診療科医
神奈川県立こども医療センター総合診療科部長。愛媛大学卒業。
神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て2005年より現職。小児科専門医、小児神経専門医。
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