2022.08.23
抗ヒスタミン薬は、アレルギー反応に関わる体内物質・ヒスタミンがその「鍵穴」に結合しないようにブロックし、くしゃみ、鼻水、皮膚の赤み、かゆみなどの症状を抑える効果がある薬です。
「アレルギー反応について」や「抗ヒスタミン剤・抗アレルギー薬の飲み薬・錠剤など」は下記の記事にて詳しくご紹介しています。
抗ヒスタミン薬の塗り薬となると、アレルギー反応が生じている皮膚にダイレクトに有効成分を吸収させるのがコンセプトです。
湿疹(しっしん)、かぶれ、虫刺されなどによる「かゆみ」に使われます。
一般用医薬品として販売されているかゆみ止めの塗り薬にも抗ヒスタミン薬が含まれています。
一方、免疫抑制薬の塗り薬はアトピー性皮膚炎専用です。
一般的に、アトピー性皮膚炎による皮膚の赤みやぶつぶつ、かゆみに対しては、抗炎症作用があるステロイドの塗り薬が処方されます。
ただ、塗った人すべてにではないものの、副作用が現れる恐れがあります。
代表的なのは、同じ箇所に長期間続けて使用すると皮膚が薄くなったり、萎縮したりすることです。
ステロイドを含まずに炎症を抑える薬として、「非ステロイド系消炎塗り薬」もありますが、効き目は穏やかな一方、副作用が見過ごせない点が課題でした。
そこで、新たな治療のツールとして登場したのが、免疫抑制薬の塗り薬です。
体が外敵と戦う免疫反応を抑えることで、皮膚の炎症も抑えます。
先ほど紹介したステロイドのような副作用は報告されていませんが、免疫抑制薬では皮膚の感染症にかかりやすくなることなどが報告されています。
病院では、それぞれの塗り薬の特徴を踏まえて、子どもの年齢、病気や部位、症状の程度などに応じて最適な薬を処方してくれるでしょう。
この記事では、子どもに使われる抗ヒスタミン薬・免疫抑制薬の塗り薬を紹介します(2022年3月時点)。
薬を使い始めて何か気がかりなことがあれば、医師・薬剤師に相談しましょう。
湿疹、かぶれ、虫刺され
など
アトピー性皮膚炎
など
《 監修 》
松井 潔(まつい きよし) 総合診療科医
神奈川県立こども医療センター総合診療科部長。愛媛大学卒業。
神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て2005年より現職。小児科専門医、小児神経専門医。
📖子育てに掲載中の松井潔先生監修記事一覧
保護者の方が、休日・夜間の子どもの症状にどのように対処したらよいのか、病院を受診した方がよいのかなど判断に迷った時に、小児科医師・看護師に電話で相談できるものです。
この事業は全国統一の短縮番号♯8000をプッシュすることにより、お住いの都道府県の相談窓口に自動転送され、小児科医師・看護師からお子さんの症状に応じた適切な対処の仕方や受診する病院等のアドバイスを受けられます。
厚生労働省ホームページ:子ども医療電話相談事業(♯8000)について