2021.06.07
バースプランとは、たとえば、「計画分娩をしてみたい」とか、「出産する時はお父さんに立ち合いをお願いしたい」とか、「薬を使用する時は事前に説明をしてほしい」など出産時の希望を書き出し出産の計画を確認するものです。
1980年代英国で、女性が出産時に、もっと自分たちの気持ちを主張できるようにと、出産の計画を書き始めたことからバースプランが浸透し始めました。日本でも近年、外来で紙を渡され「あなたのバースプランを書いてください」という病院も多くなってきています。
しかし、バースプランを自由に書いてくださいと言われても、何をどう書いていいのか分からないと、不安そうに話される方がたくさんいます。自分の希望を伝えるはずのものが、宿題のように負担になって重く感じることもあるようです。
妊娠に対しての心配事や気になること、不安なこと、お願いしたいことなどを医療の現場において専門家に相談し希望を伝えることは、なかなかに勇気がいり難しいことかもしれません。
そんな時こそ、バースプランの出番です。言葉で伝えにくい気持ちを書き出し気持ちの整理を行います。
文字を書くことが苦手な方は、文章でなくても大丈夫です。マンガ風に絵にしてみたり、音楽が得意なら自分たちの曲を作ったり、自分たちらしい表現で思いを伝えてみましょう。
産み方、生まれ方を考えることは、とても大切なプロセスです。もちろん、赤ちゃんの状態や設備の関係で自分たちの思い通りにいかないこともあるかもしれませんが、話すこと、書くことによって、自分たちの本音や大切なことが見えてくること間違いなしですよ。
出産は新しい家族を迎える大きなイベントです。
新しい命を迎える時にどのような気持ちでどのような環境で迎えたいのか、自分たちが大切にしたいのはどのようなことかを夫婦でとことん語り合うことが大切です。
お互いの気持ちをすり合わせ、二人にとってのベストなプランを探していきましょう。
お腹の中の赤ちゃんの成長を想像し、命と向き合いながら、一つ一つ気持ちを書き出していきます。パートナーと生活を大切に楽しむためには、何をしたいか、何を大切にしたいか、どんな出産にしていくか話し合い、プランを描きましょう。
(▶関連:さまざまな出産方法とバースプランの選び方について)
《 監修 》
濵脇 文子(はまわき ふみこ) 助産師
大阪大学大学院医学系研究科招聘准教授。
助産師・保健師・看護師。
産前産後ケアセンターヴィタリテハウス施設長。
はぐふるアンバサダー。
妊娠から産後まで、一人一人に寄り添い幅広くサポートを行う。
また、自治体や企業とマタニティーソリューションの事業構築や講演・執筆活動、専門職の教育研究にも携わる。
濵脇文子先生の監修記事一覧
📖妊娠希望に掲載中の記事