2024.03.19
2024年2月20日(火)、「命育」と「はぐふる」の共同開催で、「乳幼児の健康オンラインセミナー」の第一回目が実施されました。
※開催日の2月20日は「アレルギーの日」としても知られています。
記念すべき初回のテーマは、「アレルギー」と「性教育」。
各分野の専門家を講師にお招きし、それぞれの立場から「皮膚や肌」を共通の切り口にしてお話を伺いました
アレルギーの講演では、アレルギーマーチの解説やその対処法となるスキンケアの方法を。
性教育の講演では、乳幼児期にできる性教育や性器の洗い方などを教えていただきました。
質疑応答タイムには参加者からの質問が数多く寄せられ、みなさまの興味関心の高さがうかがえる盛り上がりでした。
〈講師〉山梨大学大学院 総合研究部医学域 社会医学講座 小島令嗣(こじま れいじ)先生
〈講演内容〉
第1部では、山梨大学大学院の小島先生が登壇し、アレルギーマーチ(アレルギー体質のお子さんが、成長に伴いさまざまなアレルギーを順番に発症していくこと)の定義や原因について解説してくださいました。
また講演の最後には、アレルギーマーチの対処法のひとつである「お子さんに適したスキンケアの方法」についても紹介がありました。
講演後、参加者からは「なぜスキンケアが重要かという理由がわかり、納得できた」「スキンケア方法の誤解に気づけてよかった」といった声が寄せられています。
〈講師〉NPO法人 HIKIDASHI代表理事 大石 真那(おおいし まな)氏
〈講演内容〉
セミナー参加者に対して行ったアンケートは30名の方にご回答いただきました。
感想として「当セミナーを友人や知人に勧めたいと思う」「セミナーへの参加が疑問や不安の解消につながった」など、前向きな感想を多数頂戴しております。
以下が、参加者の方々から寄せられた具体的な回答です。
「親だけでなく、子どもに関わるすべての方々に必要な情報だと思いました」
「アレルギーも性教育も、興味はあるものの学ぶ機会が少ないテーマだと思うので、多くの方々に届くといいと思いました」
「基本的な情報だけでなく、最新の知識も得ることができ、家庭で今できることがわかりました」
「今回のセミナーを受けたことで、今後何らかの症状が表れた際も、医師の話を冷静に聞くことができそうだと感じています」
「早くから対処しておくことで症状を抑えられる可能性があるとわかり、より一層、治療やケアが大切だと感じました」
また、「有料でも参加したいです」「今後も定期的に開催してほしい」「次は夫やママ友を誘って参加したい」といったうれしいご意見も多数いただきました。
「はぐふる」は、より多くの乳幼児の健康づくりに寄与すべく、今後も精一杯努めてまいります。ぜひ今後の取り組みにもご期待ください!
第1部のアレルギーの講演中にいただいたQ&Aにつきまして、小島令嗣先生にご回答いただきました。
※なお、セミナーのアーカイブ映像については、会員制向けサイトにて掲載を予定しています(公開日検討中)
A:入浴により体が温まり、湿疹が明らかになることがあります。
また温まることにより出現する蕁麻疹(蚊に刺されたようにふくらむ発疹、かゆい)の場合もあります。
入浴後に出た発疹を写真に撮って、皮膚科に相談することをお勧めします。
A:アトピー性皮膚炎は頭皮にも湿疹が出ます。
頭を搔いている場合は、頭皮に湿疹がある可能性があります。
頭皮用の薬(ローションタイプ)もありますので、かかりつけ医に相談してください。
シャンプーの頻度については大人と一緒で構いません。
特にお勧めのシャンプーは指定しませんが、敢えて言うと無添加のシャンプーが刺激も少なく良いかと思います。
A:ナッツ類、特にピーナッツは粒のまま幼児に与えるとのどに詰まらせる恐れがあるため、消費者庁から注意喚起がされています。
一方、アレルギー予防のために欧米では「ピーナッツアレルギーの発症予防として摂取開始を遅らせない方が良い」とされ、アメリカのアレルギー予防のガイドラインでは生後6カ月以降であればピーナッツ摂取可能とされています。
ただし日本ではピーナッツアレルギーの有病率が低いため、ピーナッツはいつから開始するのが良いかは離乳やアレルギー予防のガイドラインなどには「いつから」とは、明記されていない状況です。
もし離乳食として始める場合は、ペースト状のものを少しずつ試し、症状が出るようならアレルギーを専門とする医師に相談してください。
はぐふるの記事のリンクも参照してください。
A:ピーナッツオイルを配合したスキンケア製品を使用すると、乳児期のピーナッツアレルギー発症が約8倍増加するとイギリスの調査から報告されています。
セサミオイルもゴマアレルギーを発症する可能性があるので、お勧めできません。
保湿剤はワセリン以外にもヘパリン類似物質や尿素など、皮膚に浸透して水分をたくわえる働きのあるタイプもあります。皮膚の乾燥が目立つようであれば、かかりつけ医にご相談ください。
《 監修 》
小島 令嗣(こじま れいじ)アレルギー専門医
防衛医科大学校卒業。
山梨大学 社会医学講座
アレルギー専門医
専門分野:小児科学、アレルギー学、疫学・公衆衛生、母子保健
保護者の方が、休日・夜間の子どもの症状にどのように対処したらよいのか、病院を受診した方がよいのかなど判断に迷った時に、小児科医師・看護師に電話で相談できるものです。
この事業は全国統一の短縮番号♯8000をプッシュすることにより、お住いの都道府県の相談窓口に自動転送され、小児科医師・看護師からお子さんの症状に応じた適切な対処の仕方や受診する病院等のアドバイスを受けられます。
厚生労働省ホームページ:子ども医療電話相談事業(♯8000)について